Z系に装着されているキャブレターには、純正や社外品を問わずアイドリング回転数調整を行う為のスクリューが必ず装備されています。
形式としてはスクリューにノブが直接着いているものやケーブルを使って横方向に出している違いはありますが、目的としては文字通り運転中のアイドリング回転数を調整するものです。
さて、この寒い時期には特に純正キャブ等で始動時にチョークを使用してスターターを回しても、なかなか初爆が起こり難い場合があります。
エンジンと吸気温度の低さでガソリンが揮発し難い事と空気密度が高くなって燃焼室に吸い込まれる混合気が薄くなってしまう事がその理由なのですが、その場合はアイドルスクリューを反時計回りに回して出来るだけスロットル開度を小さくなる様にしてやると、相対的に濃く出来ますので始動し易くなります。これは、スロットルを閉じてやる事で、流入空気を絞りながらマニホールド内の負圧を高めてパイロット系のガス吸い込みを増やす効果がある為です。
冬場の始動性が悪いという場合は一度お試しください。
その逆に、高速道路を長距離走行する際等にはアイドルスクリューを若干正方向に回してやり不都合が無い程度に若干アイドリング回転数を上げてやると、アクセルオフ時の強いエンジンブレーキや走行中に全閉してから微妙にスロットルを開ける際に負圧によって生じる張り付きの重さを緩和出来ます為、疲れにくくもなります。
もちろん、停車中に高めのアイドリングは燃費が悪くなったりしますので、信号待ち等の多い一般道に出る際には戻した方が良いでしょう。
さて、今年も様々な車両を整備させていただきました。
来年も宜しくお願い致します。