Z1000Jをデータログ機能付きのフルコンを搭載してキャブレターを使用していますが、そのログを見ながらキャブセッティングに実際に役立ててみます。
http://www.pams-japan.com/diary/?p=28698
最初にセッティングを開始した際に近所を軽く走って見た際のログデータから、空燃比の変化を可視化したグラフがこれになります。
縦軸がTPS(スロットル開度)横軸が回転数です。
これに空燃比のパラメーターが加わると、本来は3次元図になるのですが、見易い様にその値をカラー化して、2次元として見える様にしています。
キャブレターの場合は、スローからニードルにメインジェット域と、スロットル開度で段階的に調整する場所が変わっていきますので、こうするとどの開度あたりで空燃比が合っているか合っていないかが分かり易いです。
さて、上のグラフでは黄色い部分は空燃比14〜15です。
理論上空燃比は14.7という事にはなっていますが、実際にキャブレター仕様の場合ゆっくりと走るにも13〜14程度のグリーンか、トルク感を出したい場合は12〜13の水色程度にしてやらないと正直パワー感も足らず、特に加速ポンプ等の装備されていないCRの場合はアクセルをゆっくりと開けて行かなければつきも悪いです。
まずはこの開度15〜25%あたりの黄色表示されている領域の燃調を濃くしたく考えます。
おそらくはこの領域はニードルのストレート径を僅か細いものに交換してやるのが宜しいかと思えますが、代替のニードルが無い場合は多くの方がクリップの装着位置を下げて試してみるのでは無いかと思えますので、あえてやってみます。
CRキャブのニードル脱着は、トップの蓋さえ開ければ指先で固定プレートをずらすだけで簡単に出来るのがメリットですね。
FCRやTMRはスロットルバルブの薄さの為、この構造が使えませんので。
ニードル自体は変えず、クリップ位置を真ん中から一つ下げて試してみます。
それで再度テスト走行した際の空燃比グラフがこれです。
正直黄色く表示されているエリアは殆ど変わっていません。
やはりクリップ段数ではこの領域はごまかせない様なので、ニードルのストレート径を1サイズ細いものに変更ですね。