カットヘッドを使用して燃焼室内のバルブの動きを確認します。
組み込んだカムはweb420 リフト量10.7mm 作用角287度のハイチューンエンジン用カムで、我々は通称ST3と呼んでいるグレードです。
バルブタイミングをメーカー指定に合わせてみて実際にクランキングしてみると、クランク角度に合わせてのバルブの位置がリアルタイムで見る事が出来ます。
ピストンとバルブが最も近づいた際のクリアランスのみ見るのであれば、従来の様に仮組みして粘土を使うという手がありますが、その方法だとバルブタイミングを変更の度にヘッドを外してやり直しになります。
この様に直接見れる様にしてやれば、各バルブタイミングでどの程度距離があるかは一目瞭然です。
又、インテークとエキゾーストバルブが同時に開くオーバーラップ時に両バルブがどの程度近づいてどれ程の余裕があるかは粘土では確認出来ませんが、直接見れる様にすればそれも完全に確認出来ます。
例えば動画で見ると、ピストンが排気上死点に来た際にはインテークバルブも開き始めているのですが、流石にこのクラスのカムになるとバルブ同士はかなり近くなっているのがわかります。
正直これ以上バルブを大径化してインテーク側のバルブタイミングを進めれば、互いに接触の可能性は非常に高そうです。
ただ、バルブとピストンのリセス(バルブの逃げ窪み)側とのクリアランスはまだ大きく余裕があるので、更に面研して圧縮比アップの余地はありそうです。
もしくは、ピストンのヘッド側を設計するのであれば、使用するカムに合わせて最適な深さのリセスで作って、効率の良い形状に煮詰める事も出来そうですね。
ちなみにこちらはZ1の純正カムをノーマルのバルブタイミングで組んだ場合。
やはりノーマルは、バルブとピストン側リセスとのクリアランスも、バルブ同士の接近も遥かに余裕がある事がわかります。