キャブレター仕様の車両にLINK社他のフルコンを使用したイグニッションシステム、通称キャブコンシステムを組む為にCRキャブレターにTPSを後付け装着している事は、以前より記事にしています。
スロットル軸と高精度のTPSをコグドベルトで繋げるシステムとなっている為、組み込みにはキャブ自体の分解や加工が不要です。
又、TPSセンサーには従来の可変抵抗タイプでは無く、最新型インジェクション車のライドバイワイヤ式スロットルボディにも使用される高精度無接点式のホールセンサーを使用しています。
非常に耐久性に優れ、経年劣化や摩耗による出力電圧のずれやノイズの発生もありません。
http://www.pams-japan.com/diary/?p=28369
さて、何度か問い合わせいただいているのですが、このTPS装着のCRキャブレターをASウオタニフルパワーキットに接続して使用出来ますかとの事です。
多くのユーザーがご存じなのですが、ウオタニのイグニッションシステムはTPS等を接続して3次元マップを使える様になります。
TPSでスロットル開度からエンジン負荷を仮想して、例えば巡航走行等の中低負荷時には3次元マップの山になっているところを読み込ませる事で最大6度程度2次元制御時より進角し、より良い燃焼状態とする事が出来る様になります。
全開時のピークパワー自体が向上するわけでは無いのですが、適正にセッティングしてやるとストリートでの実用域で滑らかかつ非常にスムーズにバイクが前に進んでいく様なフィーリングとなります。
一般のライダーが実際に走行している際に使用する開度の多くがこの領域に収まりますので、そういった意味でのメリットは大きいです。
逆にスロットルを大きく開けた加速時や全開での走行中には、点火時期はより多くの混合気を燃やす為の値になります。
さて、このTPSシステムをASウオタニに装着する場合ですが、入力電圧による開度検知幅を自由に設定出来るフルコンと違い、ウオタニのイグナイターユニットでは入力する電圧レンジが指定されています。
スロットル全閉時:0.6〜0.8V
スロットル全開時:3.7〜3.9V となっています。
そこでコグドベルトで駆動されるTPSの出力レンジがそれに合う様、スロットル軸とセンサー側のプーリー比を調整しました。
調整の結果
全閉時0.7V
全開時3.83Vです。
指定電圧レンジにピタリと収める事が出来ました。
これでASウオタニのフルパワーキットにも、このTPS付きCRキャブレターを使用する事が出来ます。
こちらのTPS装着については、既にキット化して対応可能な様に進行中です。
部品のみのデリバリーを目指しますが、CRキャブレターをお送りいただくかお持ち込みにてでの組み込みも考えています。