これは市販のZ用のビレットカムプラグです。
芯金にゴムを焼き付けてある純正と異なりアルミの母材から削り出して製作されていますので、経年劣化で縮んだり割れたりする事がありません事も無く、適切に組んでやればオイル漏れも起き難く再利用も出来ますので、Zに使われていらっしゃる方も多いかと思います。
さて、便利ではあるのですが、上記の通りあくまで適切に組んでやればと言う条件があります。
実はZのシリンダーヘッドのカムプラグが入る部分ですが、その幅や深さに若干の個体差があり、1/100mm台まで完全な半円では無く、中心軸がヘッド平面より上下している場合があります。
純正がゴムで出来ているのは、実は多少の個体差でも問題無く組み込めるからです。
全金属性のカムプラグの場合はそういった冗長性がありませんので、実際に使用する場合には予めきちんと収まるかどうかを確認した方が良いです。
まず、ちょっと嵌め込んでみました。仮付けなので液体ガスケットは塗布していません。
これでアップにすると、少し浮いて段差が出来ているのがわかります。
これがほぼフラットであれば問題はありませんが、あまりに大きいとガスケットやシール剤で段差を吸収出来ずにオイル漏れする可能性があります。
そこでカムプラプラグがきちんと奥迄入るかを確認するのに軽く押し込んでみます。
自分の場合は、ワイヤーブラシの柄の様な柔らか目の木の棒を当てて、ミニハンマーでコツコツ小突く様に軽く叩きます。ちなみにこのサイズのハンマーは、エンジンの組みばらしの際に割と小回りが利くので重宝します。
https://ktc.jp/catalog/index-category/category-list/tud3s
それで押さえられた際にほぼフラットになる様であれば、液体がガスケットを塗布して本組み出来ます。
逆にこれでも収まりが悪い様であれば、幅の個体差か何かしらの理由で下迄入らない理由がありますので、そのまま無理に組まない方が良いでしょう。
今回は問題無くほぼフラットになりましたので、問題無さそうです。
さて、しっかりと嵌ったカムプラグは、いざ外そうとすると逆に容易に抜けなくなる様な事があります。
そういった時にタガネの様な物を当ててやったりプライヤーでこじるとプラグ側に傷を入れたりヘッド側にダメージが及ぶ場合があります。
一番間違い無い方法は、カムプラグの中心線を外した面のこの位置に上から軽くショックを入れてやる事です。
ミニハンマーの樹脂面を当てて、上から1サイズ大きなハンマー等で軽くショックを与えると、カムプラグは廻る様に剥がれます。
本組みして分解中のエンジンで、液体ガスケットでしっかり貼り付いていても簡単に外れますからお試しください。
ちなみに、Z系に限らずJ系でも同様にビレットのカムプラグは市販されている物がありますが、組み方外し方は基本的に同じです。