Z1000Mk2やZ1000J,Z1000R等のJ系のジェネレーターは、純正のステーターコイルからの出力をスプロケットカバーから出たところでメインハーネスと接続されているのですが、以前にも記事にしました通りこの部分での周囲の温度も高い上にZ1系のインナーローター式に比較して発電容量も増えて流れる電流量も大きくなっています為、端子のサイズの割に導通容量が小さなオスメス端子を使うと数千kmで真っ黒に焼けてしまう場合があります。
http://www.pams-japan.com/diary/?p=19888
又、ステーターコイルを新品に交換した際にメインハーネスの充電用コードが劣化していると、古い方に負担がかかってやはりメインハーネス側が焼けてしまう場合があります。
この為、容量と信頼性、耐久性を考えればステーターコイルからの配線は容量の大きな端子を使用してレギュレータ―に直接接続してやるのがベストです。
ちなみに弊社のジェネレーターコンバートキットの場合、特にTYPE2と3に関してはMOSET型レギュレータ―に直接接続する仕様になっています。
弊社の汎用MOSFETレギュレータ―セットの場合も、ステーターコイル配線を延長加工する事で、新品の大容量コードでやはり直接接続出来る様になります。
http://www.pams-japan.com/diary/?p=18685
さて、電力系の配線を延長接続する場合は、この様に少し長目に重ねてやる事で抵抗を下げる事が出来ます。
更に半田を流し込んでから、接着剤入りの熱収縮チューブでコートしてやればまずこの部分で焼ける事はありませんし、防水や振動による折損等の対策にもなります。
ちなみに接続部をずらすのは、束ねた際に配線を太くしない事と、万が一の被膜破れや断線等で隣り合った接続部分がショートするのを防止する為です。
又、こちらはMOSFET側の端子ですが、フラットな部分がレギュレータ側に面で当たりますので、抵抗が少なく大容量なものになっています。
ただ、こちらの端子やコネクタ―、弊社では整備作業用にも所有はしていますが、一般販売はしていません。基本的には販売する場合は汎用レギュレーターセット同様にこちら側は必ずカシメた状態になっています。
何故かと言えば、大容量な分端子素材厚く、一般ユーザーさんがお持ちのカシメ用工具では硬くて適切にはカシメする事が難しい為です。
端子の幅自体は250と呼ばれるものなのですが、右にある一般的に市販されている端子とは素材の厚さが大きく異なる事が判るでしょうか。
下の写真は一般ユーザーさんが使用するハンドツールでカシメてみたものですが、導線部を折り返して太くしても、端子の折り返し部分が緩くて完全には密着出来ていません。
この状態で大電流が流れると密着出来ていないカシメ部分で熱が発生してトラブルの原因となります。
その為、我々が現場で作業する場合には一般ハンドツールの3倍以上の長さと重量がある専用工具を使用し、販売用のハーネスの場合は専門の工場で機械を使ったカシメを行ったものとなっています。