フューエルインジェクションと言えば、視覚的にはスロットルボディやフルコンECUの存在が際立つのですが、それらを繋いで電源を供給したり制御するハーネスが無ければ機能させる事は出来ませんから、非常に大事です。
これは、フルコンECUに接続するメインのハーネス。
一般的にそれ用としてメーカーから販売されている汎用ハーネスは、コネクタ―に様々な色のコードが生えているだけの物なのですが、これは弊社で半完成品としてオートバイ用に組んだものになります。
4輪用だと5mクラスになりますが、オートバイの場合ではECUをテールカウルの中に置いたとしてもせいぜい2m、今回のFX-1の様にシート下にECUをマウントする場合は1.5m程度です。
配線の多さに見るのも嫌だとなる方もおられるかも知れませんが、不要部分を取り除いて項目毎に振り分けてしまえばそれ程理解不能なものでもありません。
例えば、この青系のコードはイグニッションコントロール信号でツインプラグの4個のコイルを独立制御させますが、シングルプラグであればコイル2個の2本になります。
又、茶系のコードは4つのインジェクターのコントロール側です。
この6つに振り分けしてあるのは各部のセンサー用です。
吸気とシリンダーヘッド温度センサーは2組。
2個のマニホールド圧センサーとスロットル開度センサーで3組です。
又、一番右側のグレー系が2本あるのはデジタル入力線で、スピードメーターセンサーやスイッチに繋がります。
ちなみに、センサー用ではグリーンがアースで赤/青は5V電源です。
こちらは電源とメインアース、そして燃料ポンプのコーントロール信号線です。
電力を扱う為、リレーヒューズボックスに繋がります。
アースコードが2本あるのは、インジェクターからの電流が流れる為の容量が必要な為です。
CAN通信用の2本のコードは空燃比測定用のCAN lambdaユニットに繋ぎ、デジタル通信による精度の高い空燃比データのログ記録を行います。
少し長目にしてあるのは、ECUからメーターへの出力線です。
スピード信号と回転計信号
カテゴリー別に分けてやれば、それ程理解困難なレベルのものでもありません。
後は、車両側の各部部品の位置に長さを合わせながらコネクタ―を着けてやるだけです。
ちなみにこちらはインジェクション用の電源コントロールを行うリレーヒューズBOX。
ポンプやインジェクター、イグニッション電源等を制御しています。
又、こちらは今回のツインプラグ用にする為のイグニッションコイルハーネスです。
コントロールと、電源とイグニッション系と、通常市販車であれば一体化されているハーネスを機能毎に分割しているのは、将来的なアップデート性はもちろん、ユニット分けする事で整備性を上げる為です。