初期設定と各部点検が終わったので、とりあえずの燃調と点火時期マップをインストールし、エンジンを始動します。
各部の設定は予め済ませてありますし、これ迄もZ系は数々セットアップしていますので、特に問題無く始動出来ました。
エンジンを回しながら、燃圧の調整や各部の点検と、アイドリング空燃比の調整を行うと、低く力強いアイドリングになって来ます。
この時点で既にそこらを流せる程度のセットアップは出来ていますので、軽く走ってログを確認します。
ECUに記録されたログデータを読み込んで、7各部の数値が正常に記録されている事を確認します。 ここ数年のフルコンECUは更に進化し、データロギングの記憶容量や、サンプリング周波数が飛躍的に大きく、更にそれらの表示機能も進化しています。
ハードとしてのエンジンやスロットルボディを含む機械的な部分もそうですが、それ以上にソフト面での進歩は早い気がします。
データを読みながら、スピードメーターケーブルに組み込んだ速度センサーの校正を行います。
ちなみに速度がECU側で認識出来ると、エンジン回転数と比較計算する事で、走行中の使用ギアも記録として残せます。
後に空燃比のセッティングを行う際には、速度や使用ギヤがわかれば走行中の状態をイメージしたり判別し易い為、非常に有利になります。
例えば、5,000rpmで回っていても、2速とTOPギアではエンジンにかかる負荷は全く変わって来ますので。
実走しながら常用域のセットアップが進むと、どんどん良くなってきます。
この車両には、Pistal racing 社製ピストンが組み込まれています。
又、装着しているスロットルボディは、AT power社にオーダー製作を依頼しているシャフトレススロットルボディですが、通常換算口径で46mm径のフローがあります。
強制開閉のキャブレターでこのレベルの大口径のものを装着して一気無造作に開けても息つかずについてくる実用セッティングはかなり困難なのですが、開度や吸入空気量に合わせて燃料を噴射コントロール出来るインジェクションの場合は、この様に問題無くレスポンスさせることが出来ています。