何度か紹介させていただいております、弊社にて行っているCRキャブ用TPSシステムです。
フルコンを使用した点火時期マップの専用製作や制御に、ログ機能を使用した場合のスロットル開度サンプリング、そしてASウオタニのフルパワーキットに含まれている3次元マップ機能を使用出来る様にしてストリートでの常用域パフォーマンスを向上させるのにも使えます。
回路的な部分の適合は確認出来ておりますので、この独特な接続方法に使うセンサーを当方の希望に合わせていただいた専用品をメーカーに発注して納品を待っているところです。
ちなみに、センサーボディは耐久性と機能面的に樹脂ボディでも充分である事を確認しテスト済みではあるのですが、より高い耐久性を望んでこのタイプのセンサーではあまり見られないメタル筐体を最終的に選択しています。
さて、何件か問い合わせや質問をいただいているのですが、シャフト直付けのセンサーに対しての測定精度について。
ベルトでセンサーを駆動する事で検知する数値には問題があるのではというお話です。
まず、センサー内部には戻り側方向に向かってテンションをかけられる様にリターンスプリングを組み込みしてあります。
この為、スロットル軸と繋がるベルトに対して常に適正なテンションをかけており、弛みによる数値のずれが起きない様にしています。
又、リターンスプリングがある事で、可能性としては低くともベルトの外れや脱落が発生した際にはセンサーが全閉位置に戻りますので、ASウオタニを含む3D点火マップでは回転数に対して最も遅れた点火時期となる為、エンジンを保護出来る様になっています。
センサーを駆動するベルトですが、これは収縮するゴムバンドでは無く本来は動力を伝達する為のコグドベルトです。曲げや回転に対しての柔軟性は高いのですが、芯線にはケブラーを主成分とした化学繊維が使用されていますのでほぼ収縮はしない素材です。
ケブラーは防弾防刃ベスト等にも使用される繊維で、同一重量の鋼鉄の5倍の引張強度があるとされています、この細いベルトでも人間の腕力程度では引き千切る事は容易では無い程です。
このコグドベルトは大型の3Dプリンターのヘッド操作部にも使用されていますし、同様の素材と構造で太いものは乗用車エンジンのカムシャフト駆動にも使われていますので耐熱性も非常に高いです。
この為、柔軟なベルトを使用してもスロットル軸の動きに対して遅延やずれを起こす事が無くなっています。
センサー本体も、純正のキャブレターに使われていた接触可変抵抗の物に対して内部非接触式の物を使用していますので、耐久性面はもちろん数値の精度と安定性が高くなっています。
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