6月に入り、これから日々暑くなって来る事かと思います。
さて、空冷Zに乗っているオーナーさんであれば経験あるかとは思いますが、夏の渋滞等で足元はもちろんの事フューエルタンク自体が熱くなってしまう場合があります。
思い起こせばセルフ給油が無かった時代、真夏にバイクに跨ったままスタッフにガス入れてもらうとタンクが冷えていくのを風物詩として感じたものです。
それなりの走行中で風が抜けない限り、大排気量空冷エンジンのシリンダーヘッドは強力なストーブと化してフューエルタンクを温めるわけですが、それがどれ位の温度になるか。
つい昨夜、アイドリング同調調整を行った車両の燃料温度をついでに測ってみました。
タンクの中のガスは半分を切ったかなという程度で、これがお風呂であればまず適温といった感じですが、結構高いなと感じる人も多いのでは無いでしょうか。
調整作業中はシリンダーヘッドがヒートしない様ファンで風を送っていますが、走行風程の風量では無い為かこの温度です。ただそれほど気温は上がっていない夜ですらこれですので、真夏の炎天下で渋滞中ともなればは更に上がるのは間違いないでしょう。
さて、フューエルタンク内で既に熱くなったガソリンがエンジン直後のキャブレターフロートに落ちると更に温度は上がる為にパーコレーションが起き易くなったり、エンジンに吸い込まれる吸気のガソリンによる冷却効果も低下する為に効率が落ちる分アクセルを開く事になりますので、結果として燃費の低下原因にもなって来ます。
これらを避ける為、チューニングエンジン等ではタンク下部やキャブレターフロート部前に遮熱の為のカバーを貼ったり整流版を装着する場合もありますが、まずリザーブになる前に早目の給油でタンク内のガソリン量をそれなりに保つ事でも効果があり急激な温度上昇の対策になりますので、夏場の昼間走行するのであれば早目の給油を心がけてやった方が良いかと思えます。
それでもZが新車時代であった50年程前に比較すると平均気温自体が大幅に上がっています。極端な渋滞等の連続した低速走行は避けるか、エンジンを止めてゆっくり休んでしまうのもありですね。