先日、テンショナーアームのチェーンをガイドするゴムローラーは、当たり部分の軌道直径がアイドラーギアの17T相当である事を記事にしました。
http://www.pams-japan.com/diary/?p=30227
例えばレース等での急激なアクセルオフ時にゴムローラーにかかる非常に大きな負荷に対応し、減速時のバルブタイミングを正確にしたい場合、ここに金属製のアイドラーギアを装着する方法があります。
但し、試しに純正のフレームに純正のギアを組み込んでみるとわかるのですが、フレーム内側の下端にギア歯の先端が接触して回す事が出来ません。
この場合、フレーム側を削ったりカットして逃げ加工すると強度が低下しますし、アイドラーギア先端をカットするとチェーンとの当たり方に無理が出ます。
又、アイドラーギア自体の丁数を少なくする方法もあるのですが、少なからずチェーンの軌道の滑らかさが低下します。
出来れば純正のローラーと同じ軌道と出来る17Tのギアを使用したい事があり、実は弊社のテンショナーアームフレームは、それを前提に最下部の形状を純正と僅かに変えています。
純正のフレームと重ねると、ギア先端が干渉する部分が僅かに外側に広がっているのがわかります。
ちなみにテンショナーロッドで押されるのは、形状変更した部分から外れた方になりますのでこれで余計にチェーンが押される事はありません。
これで17Tのギア先端はクリア出来ています。
ちなみに注意事項としてですが、レーシングテンショナーアームを使用する場合。
金属製のアイドラーギアは、暖機終了後のエンジンブロックの熱膨張により冷間時よりカムチェーンの張りが強くなる現象に対して、ゴムローラーの様に対応が出来ません。
原理や理由については過去の記事を参照ください。
http://www.pams-japan.com/diary/?p=28148
従って、カムチェーンテンショナーは純正や弊社製のオート式ではなく、必ずマニュアルタイプの固定式を使用して冷間時にはむしろ緩く、暖機終了後に適切な張りとなる様な調整が必要です。
あくまでも、これが必要となるハイチューニング車両もしくはレース用車両にご使用下さい。
http://pamswebshop.my-store.jp/shopdetail/000000000218/ct42/page1/recommend/