次回ロット用のオイルポンプリリーフバルブの組み立てと、実際に圧力をかけての点検中です。
エンジン始動直後のオイル粘度は非常に高い時、オイルポンプ軸やフィルタ―に必要以上の負荷をかけてしまう事の無い様装備されている物ですが、弊社の基準はカワサキのサービスマニュアルに記載のものより厳しくしています為、全数の機能点検と同時に数値が上下に振れている物は再度分解して調整します。
左の何個かは開弁圧が僅かに低かったもの、右のものは高かったものです。
ボディは非常に精密に加工されていますが、製造物である以上公差は存在する事と、スプリングのレートや自由長にも基準内の違いがある為、組み合わせによっては大きく振れる場合があります。
カワサキのマニュアル上の数値では全て問題の無い圧力レンジ内ではあるのですが、弊社では出来るだけ合わせる様にしていますので、再度分解してシムを交換し調整します。
調整後に再度測定して、全てを揃える事が出来ました。
さて、調整の為に取り外したクリップは再利用せず廃棄して必ず新品を使います。
クリップは何度か縮めるとテンションが低下する可能性があり、万が一にもこれが運転中に脱落するとオイルが圧送されなくなって重大なエンジン破壊に繋がる為です。
大変小さな部品ではありますが重要な場所ですのでリスクは可能な限り排除して、組付け自体も気を使って裏表を確認しながら確実に組み付けています。
ちなみにこのタイプのクリップは、プレス製造された際に平面になっている方を力のかかる外側に向けて組むのが整備の基本です。