エンジン点検とメンテナンス中のZ1000Jに組み込まれているPistal racing社製 72mmピストンです。
スリーブ残厚と剛性面から、ノーマルシリンダースリーブであれば72mm迄を推奨としていますが、ボーリングオンリーで最大限のパフォーマンスを出せる様にピストンヘッドを設計しています。
圧縮比は標準の1.1mm厚ヘッドガスケット使用時で、11.0:1
ノーマルカムシャフトから各社のST1〜ST2と呼ばれるカムで、最大リフト10.0mm迄の高さのものを使用する事を考慮して、更にバルブサイズは弊社のJ系オーバーサイズ IN38,EX32.5mmのもの迄としてリセスを最適化しています。
この為圧縮の高さに比較してもスマートなトップ形状で燃焼効率が良く、ガスケットを0.9mmとして若干圧縮を上げ、ハイカムを組み込み。ストリート用として無理の無い仕様で128PSを記録しています。
オートバイのエンジンは最高出力のみで語れるものではありませんが、その際のシリンダーヘッドはバルブやポートを含めて面研等も行っていないノーマルとしていましたので、それらに手を入れてやれば、1,075㏄のJ系エンジンで130PS超も無理無く可能かと考えます。
※Z1000J系のシリンダーヘッドは前期と後期で燃焼室の形状やエキゾーストのバルブ位置が異なる為、前期ベースのみで設計した場合はエキゾーストバルブがリセス外周に干渉してしまうのですが、弊社のJ,R系ピストンシリーズは設計時に個体差も考慮しての採寸確認を行う事でそのどちらにも対応可能になっています。