Z系,J系共に年式問わずバッテリーのマイナスコード(アース)は、クランクケースの右側後端上側でボルトで留められています。
この部分はボルトの中でも非常に重要で、大きな力のかかる部品を固定しているわけでは無いのですが、振動で緩んだりして接触面圧が落ちるとエンジン始動の度に大電流で導通面が焼けて、ある時スターターが回らなくなったり充電不良になってしまったりする場合があります。
クランクケースを塗装した際にもマイナスの端子面はしっかり塗膜を除去して、ねじ山部分はタップで清掃する様にして下さい。
セルが回らなくなったの充電系を見て下さいと言われ、その内の何台かがこの部分でのトラブルだったという経験があります。
又、カスタムマシンではこの部分のボルトにステンレスを使われているものがあります。
ただ、一般的に使われるステンレスSUS304系は通常の鉄ボルトに比較すると非常に抵抗値が大きく導電性が低い事と、アルミ母材のネジ山部分で電食が発生し易く、そうなるとねじ山部分では導通しないばかりか、整備の為に取り外そうとすると齧り付いてボルトが折れる場合もあります為、あまりお勧めはしていません。
見た目の為にどうしてもここにステンレスを使用されたい場合は、端子とケース側の接触面を完全に面を出してしっかり接触させ、更にねじ山部分も含めて防蝕対策を行う必要があります。