当社で使用しているシャシーダイナモは、全開時の馬力のみを測って力比べしたり、メインジェット領域のセッティング確認だけする為のマシンではありません。
空燃費計と精度の高いセンサーを装備した、無段階に制御可能な電磁ブレーキを使用した負荷装置の併用で、アイドリングから渋滞中のすり抜けの様な極低速域、そこから街乗りで使う様な低負荷巡航、スロットル開度で5~20%の高速ツーリング状態から中開度迄の加速中の再現も出来ます。
もちろんこれらの領域のセッティングは法定速度の範囲内ですから、実走行や従来のセッティングデータに基づいて行ってもほぼ実用に足るセットアップは可能ですし、そういった方法でセッティングした車両を実際にダイナモ上で確認しても大方正しいと言える範囲内には収まっています。
但し、可能な限り実走と測定を併用して数値化したものとは比較する様にしています。
これはメンテナンス中の一コマ
空燃費の測定ブロックです。
コンプレッサーエアを使って作った負圧力によってエキパイ奥に挿しこんだパイプから排ガスを引き込んで、このブロックに装着したO2センサーで測定します。
このセンサーは、測定機用のワイドバンドタイプの中でも割と高性能で精度も高いタイプのものな上、空燃費変化に対しての反応が一般空燃費計のものよりレスポンスにも優れたものが使われています。
ところで、当社でインジェクションをやってるとは言っても、Zはキャブ車が普通なので空燃費センサーの寿命も割と短くなります。交換すると結構高価なのですが、このセンサーが肝ですので。。。
これが電磁ブレーキを使用した負荷を生み出すリターダー。ダイナモローラーとはドライブシャフトにて接続されています。
見難いのですが、ブレーキの向こう側には圧力素子を使った負荷センサーが装着されています。
なんだか車検時の排ガス検査の様ですが、このパイプ先端をマフラーの集合部付近の奥迄挿しこんで空燃費を測定します。この方法でマフラーを加工せずに正確な空燃費測定が可能になります。
走行時の負荷と同等のブレーキをローラーにかけながらタウンスピードのゆったりとした走行をダイナモ上で再現しながら空燃費をモニターしているところです。
少しずつスロットルを開き、速度が上がっていく際の変化をモニターしています。
この領域を少し濃い目にすると、スロットルを開いていった際のトルク感は厚くなりピックアップも良くなりますが、やり過ぎると燃費は悪化しカーボンも溜まり易くなったりしますので、走り方や使用目的に合わせる必要がありますね。