Z1系クランクシャフトの、ジェネレーター用マグネットローターが組付けされる左側テーパー部分です。
1978年以前のインナーローター方式と呼ばれるZ1〜KZ1000,Z1-Rの1型迄は、それ以降のMK2系やJ系のものに比較するとテーパー部分が細いと同時にマグネット側のメス側テーパー部分の硬度が低く、整備の為マグネットローターを取り外すとこの様にクランク側に擦り付いた様になっている物をよく見ます。
特に初期のZ1,Z2系で締め付けボルトが細く指定トルクも低い年式の場合は緩みやすく、内部で半月キーが砕けてしまい、緩んだローターが空転する事でクランクテーパー側に酷く張り付く重症なものもあります。
実際には半月キーは固定用としてはほぼ役に立たなかった為、後期のZ系では入らず、ボルトの締め付けトルクにて固定される様になっていますが、その分テーパー面の状態は重要です。
テーパーエンドの擦り付きや荒れをこのままにしてしまうと、新品のローターを装着してもテーパー面がお互いに密着しない為、締め付けても容易に緩んでしまいます。エンジンオーバーホール時に上の写真の様になっているものは、必ず加工機にて正確に研磨した後に組み立てを行います。