先日の記事にて少し紹介した、CGヘッドカバーガスケットのモデルチェンジにあたり新規金型に取り入れたハイカムへの逃げ加工について。
Z系用に市販されているカムシャフトの中にはリフト量が非常に大きなものは、中にはシリンダーヘッド内部にカム山先端の軌道が接触してしまうものがあります。
当然そのままでは使用出来ませんので、カム山先端の高さに合わせてシリンダーヘッド内部やヘッドカバー内部の干渉する場所には逃げ加工を施す事になるのですが、ヘッドカバーガスケットはそのまま使用すると当たってしまう事になります。
純正等の耐熱ファイバーを使うノンアスベストシートやモデルチェンジ前の弊社のものであれば柔らかくカム山と接触しても削れる程度でそれ程大きな問題にはならないにしても、削れたガスケットの素材や欠片がシリンダーヘッドの内部で発生するのは決して良い事ではありません。更に、よりシール性を高める為にガスケットシートに金属製の芯材を使う場合は特にカム側のダメージも考慮する必要があります。
ガスケット側にも加工を施せば良いのでしょうが、整備時に交換する消耗部品を16箇所もその都度加工と言うのはあまりにも手間な為、製作時からその逃げ加工を取り入れたものにしました。
写真のシリンダーヘッドは、ノーマルベースサークルのまま11mm以上のリフトのカムシャフトを組み込み可能な様に内面を加工されたものですが、それに合わせて加工されている事がわかるかと思います。