Z系のシリンダーヘッドカバーですが、空冷エンジンであるがゆえに運転中はシリンダーヘッドとの熱分布が均一ではありません。
この為ヘッド側とカバー側にはどうしても膨張差が生まれます。
ちなみに、ヘッドカバーは6㎜径のボルトが使われていますが、カバー側の穴は約7mmとかなり大き目に作られており、このクリアランスがある程度膨張差が生じても吸収する事が出来ます。
それを最大限に生かすのであれば、ボルトの軸が穴の壁に当たらない様に組んでやるのがベターと思えますので、ヘッドカバーを締め付ける際には全部のネジを入れた状態で座面がら僅かに浮かせる様にして、カバーを動かしながら最もニュートラルな位置にしてから少しずつ均等に締めてやると良いでしょう。


最終的にトルクをかけて締める際にはヘッド中心から外に向かって順番にしてやります。
又、ヘッドカバーは整備の為に開け閉めの頻度が高く、締め付けトルクを必要以上に強くするとヘッド側のねじ山を痛めてしまうので注意して下さい。L型レンチを使うのであれば指2,3本の力で緩すぎない程度で充分です。
ちなみに先日リニューアルした弊社のCGシリンダーヘッドカバーガスケットは、芯材をメタルコア化して当たり面にガスケット自体が広がる様にテンションをかける事で、軽い締め付けでもしっかりオイル漏れを起こさせない様考慮して製作しています。
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