純正キャブレターはもちろん、Z系でもよく使用されるCRやFCR,TMR等にも必ずアイドルアジャスターが装着されています。

本来の使用目的はアイドリング回転数を目標値に合わせる事にあります。
エンジンが冷えている際は安定する迄少し高目にしてやったり、暖機後やヒート気味になった際に必要以上に回転数が上がる場合は少し下げてやると言った感じですね。
CRキャブレターはセンター部分にアジャスタースクリューがある為、操作し難いのですが、弊社で用意しておりますCRキャブレター用ビレット連結バーに組み込み出来るタイプもあります。

こちらはKEIHINのOPTIONアジャスターにステーを使って横出しにした例ですね。

ところで、3月を前にしてもかなり寒い日がまだまだ続きますが、そういった際に大きく空燃比をリッチに出来るチョーク付きのキャブはまだしも、チョークの無いタイプやスロー系のセッティングが薄目にしてある場合は、なかなか初爆が起きない場合もあります。
その場合は、アイドルアジャスタースクリューを反時計回り=スロットルを閉じてやる様にしてやると、クランキング中のエア量が減りながらもポート内圧力が大幅に下がる事でスロー系のガスが余計に吸い込まれて空燃比を濃く出来ます為、初爆を起こし易くなります。その場合はエンジンが回り始めたらアジャスターを時計回りに回して安定する迄少し高目にしてやります。
さて、アイドリングは回転が安定している限り回転は低目にしてやった方がストリートの停車中にヒート気味になったりする事は避けられるのですが、必要以上に低くすると極微開度でのアクセルオンオフ時にエンジンブレーキのショックが大きく低速走行中に乗り難くなったりもしますので、不都合が生じない程度の回転迄上げてやるのもありです。
又、圧縮圧が高くなる様にチューンしたエンジンや、社外キャブでも大き目の口径を選択した場合アクセルオフ時のエンジンブレーキは大きくなり、その際にはキャブレターの内のピストンやスライドスロットルはボディに吸い込まれる様に押し付けられる為、全閉から再度開けようとする際には非常に重くなることがあります。
クラシックバイクでそれ程顕著に感じていない場合でも、これを頻繁に繰り返す高速道路でのツーリングでは結構疲れの原因になるのですが、その際には実用に差し支えない程度アイドルアジャスターで全閉時にも少しアクセルが開く様に調整しておいてやると、割と楽に走り続けられる場合があります。
かなり疲れず楽になるのですが、アクセルオフでもバイクが空走してしまう程開けるのはそれはそれで問題ありますので、1,500rpm程度を目安として程ほどに。