オレンジタイガーカラーですが正真正銘のZ2です。
今回、フルレストレーションのご依頼で入庫となりました。車輛をお引き取りにお邪魔した際、ガレージにて短い時間の立ち話ですが、レストレーションというよりも日本語で「巻き戻し」という言葉を敢えて使いたくなりました。
このZ2ですが、なんと現オーナーさんが新車でご購入された1オーナー物です。この数年は不動状態でガレージの中で冬眠状態だった様ですが、やはり青春時代を共に新車から過ごしているわけですから、思い入れも深いのだと思います。
なぜ外装に輸出仕様であるZ1-Aカラーなのか?と疑問に思われたかもしれませんが、なんと新車時にこのカラーで間違って納車されたのだそうです。逆に当時は目立ったのではないでしょうか。
適度なヤレ感を残しつつ、エンジンやキャブ、電装等の機能的部分にしっかり手を入れるという形もご提案したのですが、内外共にしっかりと仕上げたいと言うリクエストです。
新車でご購入されているからこそ、また当時の輝きと乗り味を再現したいと言う想いをお持ちなのかもしれません。勝手ながらお話をしていて、そんな風に思いました。
当時ものだとか、ヤレ感だとか、そういったものを大切にしてゆくのも、また旧いバイクや車の楽しみ方だと思います。でも想い入れや拘りはオーナーさん個々に違って当然。新車から42年を共に過ごしてきた相棒が、納車された新車当時の輝きと乗り味を再び取り戻せる様に、気を引き締めて作業に取り掛かりたいと思います。