Z系のエンジンは、現在のエンジンに比べるとジェネレーター部分が大型で、サーキット等でのバンク時には割と簡単に接地する為、その対策としてジェネレーターそのものを撤去して小型のカバーに交換する事があります。
例えば昼間のみのスプリントレースを走る専用Zレーサーの場合、バッテリーの電源のみで点火系を使ったり、電源不要なシンプルなCDIを使用したものもあります。
但し、公道を走行する車両の場合発電系を外してしまうわけにはいきませんし、だからと言ってサーキットに行く度にジェネレーター部分を取り外すのは割と面倒です。
この場合例えば、Z1000Mk2やJ系についてはそれらのクランクテーパーエンドに対応する現行スーパースポーツの様な薄型ジェネレーターキットが、先日紹介した様に既に市販されているものに完成度や信頼性の高い物がありますので、これらを使用してカバー部分をカットしたりする事で対応は出来ます。
http://www.pams-japan.com/diary/?p=3007
上のジェネレーターキットは弊社のものではありませんが、これを使用した場合この角度迄大きくカットが可能です。
ここまでの形状だと大抵のコースでも問題無く、又発電容量に関しては現行のインジェクションスーパースポーツと同レベルになりますので、公道走行での実用面でも非常に有利です。
但し、Z1系のスモールテーパーエンドクランクの場合、当社のジェネレーターコンバートキットに使用しているアウターローターコンバートフライホイールを使用して、ジェネレーターカバーをMk2系のものに変更してやれば多少のカットは可能なのですが、ライトウェイトタイプに換装したもの程のバンク対応加工にはなりませんでした。 (それでもストリートレベルであれば充分なのですが。)
そこで本格的にサーキットも走るユーザーの為、Z1系のライトウェイトジェネレーターについて以前より何とか出来ないかと、加工ベースのフライホイールを数多く入手して現在に至るまで寸法取りや実験を行っています。
その中でも外径の小さなものや重量の異なるもの、様々なものをテストしましたが、通常のストリート用としては既に弊社のジェネレーターコンバートキットがありますので、バンク対応の為のライトウェイトタイプについては軽さを優先して製作するものとしています。
この為、スターターワンウェイクラッチも純正のカワサキのものを含め、各種のものをいくつか準備して形状を検討してきました。
ちなみに、写真のタイプのワンウェイクラッチは、より確実に滑りを防止して確実な始動を出来るカム式ですが、非常に軽量でかつ純正のスターターギアやセンターベアリング類がそのまま使えるタイプとなります。
ちなみに、最も軽いクラッチと薄型軽量マグネットを使用して試作したアウタータイプのマグネットローターを組み合わせた場合のパターンはこんな感じです。重さを実測すると結構尋常では無い軽さです。
もちろんフライホイールを兼ねているマグネットローターは、必ずしも軽けりゃいいというものではありません、軽過ぎていい結果が出ない場合もあり得ますが、軽いものを重くする方向で調整するのはさほど困難ではありませんし、前述した通りストリート用としては既にジェネレーターコンバートキットがありますから、まずは軽くする方向で纏めてみる事にしましょう。
又、専用ステーターコイルのカバーへのマウントは、バンクカット加工を考えるとJ系やMK2系の純正カバーに対してアダプターを組み付ける方法が当面ありです。
これはZ1系のカバーの場合内部の純正ステーターマウントを利用する関係で大幅なカット加工が難しい為なのですが、出来れば最終的には専用カバーの製作を行いたく進行中です。