キャブボディピッチを変更したCVK34キャブ
まずはインシュレーター側だけで固定して始動とアイドリング域のみの確認。
エアクリーナーボックスをこの時点で装着しないのは、キャブピッチ変更の為に延長加工したリンケージやジョイント周りに問題が無いか、実際に使いながら目視で見たい為です。
流石、ストリートメイン用に設計されたCVK
スロー系をセッティングしてやると900rpm前後でぴたりとアイドリングしています。
800rpm以下迄下げても安定してますが、やり過ぎると油圧や発電量他の問題もありますので、これ位に留めます。
この回転数でもアイドリング出来ますが、さすがにオイルの粘度や温度、ポンプの個体差によってはオイル流量が不足して、ランプが点いたりするものがあります。
更にアイドリング回転時のスロットル同調を調整し、アイドル開度が定まったら、スロットル開度センサーの回転角度を調整して、指定の全閉時電圧設定にします。
ところで、寸法的にピッチ合わせたからと言ってもあくまで取り付けただけで、流用したキャブでそのまま完調で走れる様なものでは無いです。
エアクリーナーボックスを組み付けてもアイドリングプラスからの開き始めからが薄くて非常にツキも悪く、このままでは正直せいぜい動くと言ったレベルで”走る”と言うには程遠いです。
データを持っている何種類かのニードルを交換して試します。
CVKキャブはレーシングキャブと違い、ニードルの仕様がリスト化されていたりメーカー側から公開されているわけではありませんから、いくつもの種類の中から実測しながらデータ化するのが少々手間ではあります。
CVKキャブを流用すると、最もネックになるのがこのニードル選択ですね。
いくつかのニードルを段階を追って試してそれなりに吹けるレベルになりました。
(カメラのマイクが全周の反響音を拾っているので少々騒がしく聞こえますが。)
アクセル開度1/8以下の、全閉から開けているか開けていないかのところがスムーズに繋がって、回転が上がるのがわかるでしょうか?
ちなみに負圧キャブのCVKでも、この領域はスロットルバルブ付近に多数開けられたパイロットホールからの燃料供給ですので、昔の純正タイプの強制開閉キャブよりレスポンスは良かったりします。
http://blogs.yahoo.co.jp/pams_jp/63921221.html
極々低速で走行する状況が多いストリートではこの領域が非常に重要です。
又、ニードル域のセッティングが出てくると、アイドリングから軽くブリッピングしても綺麗にアクセルについてきます。この領域は発進加速時に大きく影響します。
レースならともかく、リッタークラスのオートバイになるとストリートでの走行中は開度1/4以下で走っている時間の割合が非常に多くなります。
(全走行時間の8割~9割がこの開度以下というユーザーも多いです)
特に街乗りからツーリングがメインの車両の場合、アイドリングから開度1/4迄の扱い易さやツキの良さは極めて大事になります。
例えばこの車両の場合、高速道路を試乗するとトップギア100km/hでの巡航時に1/8程度しかアクセルは開いていません。旧いとは言え流石リッターバイクです。
以降はダイナモ上でリターダー負荷をかけながら、更に実走で詰めていきましょう。