何度目かの試作の度に改良や寸法変更を繰り返している新型ジェネレーター
構造的な交差の設定はもちろん、クランクシャフトエンドに挿し込むフライホイールのテーパー部分は、仕上げ精度はもちろんの事、素材や表面硬度も考慮する必要があります。
実際この部分をヤワな材料で作ってしまうとテーパー内部の変形や緩みを生じ易く、エンジン稼働中にそれが起こるとエンジンの命とも言えるクランクシャフトのテーパーエンド部分を酷く痛めてしまう可能性もありますのでさすがに慎重にならざるをえません。
余談ですが、純正Z1系~KZ1000A2,Z1-R(1型)迄のインナーマグネットローターが緩み易くて、内側のテーパー部分が爛れた様に擦れてしまう事が多いのは、アルミで鋳包む手法で製作されているスチールコア部分の材質や硬度の不足に起因するのでは無いかと推察しています。
もちろん硬ければいいというものでも無く、クランク素材側の硬度を上回る様だとそれはそれで問題となるので、そのバランスも大事です。
レースを含むサーキット走行も考慮に入れていますので、少しでもフライホイールをエンジン内側に寄せるべく、試作の度に寸法をコンマmm単位で詰めています。
ワンウェイクラッチは紹介済みの通り、スターター時の滑りに対処する為のカム式。
但し、スターターギアはトータルコストを下げられる様に既存のZ1系の物が使用出来る様にしています。
専用のステーターコイルを仮アダプターを装着して位置決め中。
何で外側からボルトを挿しているかと言えば、こうしないとあまりにも強力なマグネットでステーターコイルが引き込まれて、抜き取るのにも半端で無く苦労する為です。
この強力な磁力が、オリジナルのZ系に対しても軽く倍を上回る大電力を発生出来る理由です。