一番二番のカムホルダー内側とその周辺のカムカバーボルトのネジ山ですが、ここはフレームの直下でもあり通常の工具が入らないのでネジ山が壊れると結構面倒です。
正規の手段で修理するのであればシリンダーヘッドを外すかエンジンを下してとなるのですが、ネジ山の修理にそれをやるには現実的では無いので少々手間ではありますが搭載したまま作業します。
マスキングして下穴をドリルで加工する写真がありませんが、ドリル刃を通すのに電動工具を使うとアルミの欠片が飛び散ってえらい事になりますから、ゆっくりと削り具合を確認しながら手作業で行います。
又、通常のタップハンドルやタップ専用ラチェットはフレームに干渉する為この場所には使えません。ボックスアダプターを使ってラチェットレンチでタップを使います。
ヘリサートタッッピングする周囲の穴に6mmタップを立てているのは、平行度を確認しながら作業する為。(タップのネジ山はボルトより雌ネジとのガタが無いので、通すのみでも真っ直ぐに立ってくれます。)
ヘリサート用雌ネジ切りは、タップがストレートタイプなので下に落ちる様にはなっていますが、それでもゆっくりと切り屑を周囲に落とさない様注意します。
それでなくともラチェットレンチ使ってタップを廻すと斜めになり易いので、常に平行を確かめながらの作業です。
ヘリサートタップの挿入ですが、上の通常の挿入工具はフレーム下には入らないので、下側の短いものを使います。 こんなタイプは売っていないので、市販のものを半分に切断して使っています。
コイルを入れて作業完了。
ちなみにヘッドカバーのボルトですが、オイルが滲んだ際には無理にトルクをかけて対策はされない様にする事をお勧めします。規定トルク内であればいいのですが、それでなくとも脱着を繰り返す場所ですので。
無理な増し締めで滲みを止めようとすると、結局ネジ山の修理代の方がガスケット代より高くつきます。