Z系エンジンの性能アップをはかる際に、ボアアップの為にスリーブをある程度以上に大きくした場合、クランクケース側のスリーブが通る穴も拡大する必要があります。
但し、この下穴拡大については必要以上に余裕を持って拡大してしまうと、ガスケットが挟めなくなったり、シリンダースタッドボルトを保持する為の肉厚が確保できなくなったりする場所がありますので、加工時には注意が必要です。
写真のケースはJ系のものですが、Z1系も同様。
最も条件が厳しくなるのがカムチェーンの通る穴両サイドの4本のスタッド周辺です。
スタッドボルトのネジ穴にはまだ余裕がある様に見えますが、シリンダーブロック側の穴は赤線程度の大きさがありますので、そうするとガスケットの挟み幅は最も狭い場所で2mm程度になります。
純正のシリンダーブロックを使いながらチューニングするのであれば、ケース下穴の限界直径サイズはおおよそこの程度。
これ以上大きくしてしまうと、どうやってもオイル漏れが起きる可能性が高まります。
ビッグブロックを使用したドラッグレーサーではこれを上回るサイズの下穴にする場合がありますが、ビッグブロックはスタッドボルトがシリンダー横方向に開放されておりませんから、スタッドボルト穴内部はオイルに満たされる事があってもここから外にオイルは漏れません。