弊社で取扱しているASウオタニフルパワーキットVer.PAMSですが、オリジナルマップがインストールされている事意外、ハード的にはウオタニさんのところで販売している物との差はありません。
(識別の為にブラックアルマイトはしていますが)
さて、マップの何が違うかと言えば、マフラーやキャブを交換される位はもちろんの事、ピストンやカムを交換してエンジンの仕様や性格そのものが変わってしまった場合にも対応する為のベースマップが入っているところです。
ここで大事な事ですが、ここに記載されているH.COMPの意味です。
Hはハイコンプを意味しますが、ここでのハイコンプとは単純にピストンが圧縮比設定の高い物に交換した場合と言う意味では無く、カムシャフトやバルブタイミング、バルブクリアランスを含むトータルでの圧縮圧力を表していると言う事です。
例えば、ピストンをハイコンプ仕様にしてカムはSTDを使用したり、ハイカムでも作用角やリフト量がそれほどでもない物の場合、バルブタイミングの設定にもよりますが実効圧縮圧力は高くなる傾向になります。低回転域から3速以上のギアを使ってアクセルを開けるとエンジン負荷は大きくなる為、ノッキング防止の為にその領域の点火時期を遅らせたH.COMPベースマップの使用が必須となります。
こういったエンジンの場合は、中低速のトルクが太くて扱い易く、ストリートを割と気楽に走れて扱い易いエンジンである場合が多いです。
対して、ピストンが同じハイコンプ仕様のままでも一般的にST2と呼ばれる以上のカム、例えばZ系であればバルブリフト量が10mmを超えたり作用角の大きなものを組んで、高回転向きにオーバーラップも広めに取る様にして回転の上昇に従って大きなパワーが出る様なセットアップにした場合、実効圧縮圧力は下がって来ますからSTDの点火時期を使用した方が低速域からでもどんどん前に進んで行き、高回転までパワーを伴って吹き抜けていく様な性格になったりする様な場合もあります。
結局のところ、最適な点火時期やマップカーブと言うものはエンジンの仕様やセットアップによって変わります。ですので、千差万別な仕様違いのZエンジンに対してこのカーブの何番が最高と言う事はありません。
上記の様にチューニング度の高いエンジンであっても、STDの点火カーブの方が適している場合もありますし、単純にハイコンプピストンを組みこんであると言う理由だけで中低速域を遅らせてあるH.COMPカーブを使ってしまうと、むしろ逆効果で吹け上がりのもっさりとした眠たいエンジンになってしまったりする事もあるわけです。
さて、たまに聞かれるのですが、ウオタニさんのところのキットを使っているが、自分の愛車はエンジンをチューニングしているので、PAMSのユニットのみ購入出来ますかと言う事です。
もちろん購入可能で、単品で税別¥40,000にて原則常時在庫もしています。
その際ですが、チューニングによって既に低中速域でノッキングの症状が出ている様な場合は、最低でもH.COMPのベースマップの使用が必要になりますからユニット交換が望ましくなります。
ただ、露骨にそれが出ていない場合はウオタニさんのところのオリジナルのマップが適しているのか、H.COM仕様のマップが良いのか迷う場合もあると思います。
ですからご来店ご予約いただけるお客様の場合は、Ver.PAMSテストユニットをご用意していますので、ご自分の車両に試着テストしてお試し後、どちらがより適しているのか、変化を確認した上で購入いただける様にご相談に乗っています。
試着テストをご希望の場合は、お電話もしくはメールにてご予約下さいませ。
PS:ラフ&ロード川崎店様にも、弊社のテスト用ユニットをお預けしてあります。ユニット単品も在庫していただいておりますので、当社と同様に試用してのご購入が化出来ます。そちらの場合はZ系担当の佐々木さんにお問い合わせ下さいませ。