先行して試作したフライホイールと、耐久性の高いカム式のワンウェイクラッチを組み合わせた次世代型ジェネレーターキットは、実車への装着テスト段階へ進んでいます。
ワンウェイクラッチギアは、元々使用されている純正のZ1系のものがそのまま使用出来る様になっています。
特筆すべきは、その発電性能。
Z1系のインナーローター式より遥かに容量が増えて、最終的にはZ1000Hではインジェクションの使用が可能になったMk2系のアウターローター方式ジェネレーターの出力が1500rpm時14Aであるのに対して、現在製作中の弊社新型ジェネレーターは現状同じ回転数1,500rpmで22Aを上回る電力を供給出来ます。
ちなみに、フライホイールの内径が拡大されて発電容量が更に向上した、Z1000J系のジェネレーター出力が、20Aに達するのは8,000rpm時とされています。
これがどれくらいの容量かと言えば、写真の通り。熱線で暖房を行うヒートジャケットにインナーパンツやグローブをフルセットにして、最強に温度設定してもヘッドライトを点灯したままアイドリング中でも余裕でバッテリーにチャージ出来る程です。
当然ですが、Z1系はもちろんMk2系でも、ノーマルのジェネレーターのままストリートでこの様な事を行うと消費電力が発電能力を大きく上回って、走行中でもバッテリー容量が無くなりますから、そのうち電圧が低下してエンジンが止まるか、一度止めると再始動が出来なくなります。
真冬の夜に、全身コタツに入っている様な暖かさで旧車で走れるって、自分らが若い頃の事を考えるとある意味夢だったと言うか、横着と言うか。(笑)
もちろん発電性能の余裕は暖房だけでは無く、アイドリング中からの余裕ある安定した電力供給はバッテリー電圧も安定させ、極低回転よりのイグニッションスパークの安定はもちろん、各種の充電器やドライブレコーダーにナビ等、現代のツールを使うにもメリットは大きいでしょう。
さて、市販に向けての実走試験は続きます。