シリンダーから上を分解整備中のZ1
この状態でカムチェーンを交換します。
ジョイントリンクカムチェーンを使用するとクランクケースを分解せずに作業が可能です。
カムチェーンを繋いで交換と言うと強度的な不安を感じられる人も多いのですが、メーカーがきちんと製作した専用ジョイントを専用の工具等を用いて正しく作業をする限り、破断の可能性はまずありません。
例えば以前のYAMAHAの車両の一部には、純正でジョイントコマを使用してカムチェーンを交換出来る事が正規作業となっているものが多数あります。
当社でもカムチェーンをテスターで繰り返し破断させてカシメ部分の強度をテストしています。
旧yahoo BLOGより
http://blogs.yahoo.co.jp/pams_jp/63690522.html
チェーンを持ち上げただけでガタも多く、結構お疲れなのがわかります。
余談ですが、よく言われる強化カムチェーンと言われるものは破断する迄の耐荷重が大きいという意味のものであって、伸びにくいというものではありませんので、その強度が必要で無いのに使うと、チェーン自体の重さによるデメリットの方が大きくなりますので注意が必要です。
ノーマル~通常言われるST1クラスのカム+Z系もしくはJ系流用スプリングレベルでは経験上強化カムチェーンが必要な程の負荷はかかりません。
チェーンカット前に、適当なコードをその前後に括ります。
必ずしも必要な作業では無いのですが、チェーンをカットした状態でエンジン内に落とすと、拾い上げるのに大変な苦労になる場合がありますので。実際にやらかした経験のある当人が言っているので本当です。(笑)
シリンダー部分が外れていればまだいい方で、オイルパンを外さねばならなくなったりします。
専用工具を使用してカットしました。
セットに付属の銅線でカット済みの新旧カムチェーンを仮に繋いで送って入れ替えます。銅線を使用するのは曲げ易くエンジン内部を傷付ける可能性が低い為もあります。
チェーンを入れ替えたら、ジョイントリンクを組み込んで専用工具でカシメ作業を行います。
作業完了。 綺麗にカシメられています。
新品カムチェーンでノイズも少なくバルブタイミングも正確に取れるエンジンになるでしょう。
新品カムチェーンでノイズも少なくバルブタイミングも正確に取れるエンジンになるでしょう。