ぼちぼちと問い合わせされる機会も増えてきました、Z1系用新型ジェネレーターコンバートキットですが、
先日装着した車両が、有り余る発電量を使って電熱暖房がフルに使えるせいもあって真冬にも関わらずそれなりに結構な距離を延ばしていただいてますので、まずは初期点検です。
カバーを取り外しても、これといって目視でわかる様な不調箇所はもちろん無し。
組み付け時に適正トルクで締め付けして、マーキングを施しておいた各部ボルト類の緩みや、ワンウェイクラッチ周辺のクリアランスも再確認。
製作したフライホイールで最も大事と思われるのが、ローター中心部の黒い部分の内側で、クランクシャフトのエンド部分に嵌合するテーパーエンド部分の角度精度と面祖度に表面強度と剛性です。
この部分のどれか一つの性能でも脆弱だと、回転による反動で緩んでしまい、空転したフライホイールの内部テーパーがボロボロになるばかりか、Zエンジンの命とも言えるクランクシャフト自体が使いものにならなくなってしまいますから、特に慎重を期して設計しています。
とりあえず、数千kmの走行程度では緩みはもちろん、テーパー部分の荒れ等も一切無く良好な状態を保っています。
余談ですが、純正Z1~KZ1000迄のインナーローター方式のマグネットローターは、この内部テーパー部分が非常に荒れやすいのですが、あれは材質の硬度不足も起因しているのではないかとも思っています。
鉄のコアをアルミで鋳包む製法の為もあるのか、もしかすると製造段階で鉄部分のテーパー部分が焼きなまされて硬度が低下してしまっているのではないかなともとれる程、その硬度は高くはありません。
それでもそれなりにもつのは、インナーローター方式ゆえに外径が小さく、回転変化時の反動力も少ないからではないかなと考えました。
これがアウターローター方式の場合外径が大きくなることもあって、同じ回転数でもテーパー部分にかかる負荷は増えますので、この部分についてはより留意して製作する必要があります。