先日お知らせしました、当社GPZタイプオイルポンプの仕様変更について
オイルポンプギアとポンプシャフト間にて力を伝えるピンと言うものはどの程度の耐久性があるのかと聞かれたので再度記事にします。
さて、これは前回もアップしていた、ポリス系の4mmとZ1系の3mmの純正ピンです。
Z1系のものは中古品ですが、これはかなり使いこまれた物。 メーターで7万kmは超えていたZから取り外したものです。
接写してアップにしたのがこの写真。
ギアと接触する部分が相当に摩耗していますが、この状態でもまだ機能はしています。
ちなみにこのピンが付いていたポンプは、ボディ内部のギア外周部やスラスト方向の摩耗で吐出力がかなり低下しており、ポンプ交換に至りました。
もちろんオイルポンプの寿命は、使用するオイルや車両の使用条件によって大きく変わります。ストレーナーが装着されているとは言え、細かな金属粉やオイルに異物等が混じるとオイルポンプは纏めて吸い込んでしまいますので、そのボディ内部やギアを痛めます。(通常それらの異物はオイルフィルターで濾されますのでエンジン各部に回る事はありません)
それにしてもピン自体の寿命はポンプ本体の寿命に比べて短いという事は無さそうです。
又、ピンの方は上記の様に擦り減りはしていますが、ポンプギア側のスリットは摩耗はしていませんので特に問題無く再利用は可能でした。
ピンの摩耗対策に必要以上に表面硬度を上げてしまうと、逆にギアの方を擦り減らせてしまう可能性もありますので、カワサキもこれで良しとしたのでは無いかと思います。ですので、弊社がピンを製作する際にも、硬度と強度はこの純正部品にほぼ倣っています。(段付き部がありますので、僅かには上げましたが)
他にもZのエンジン内部には長年の使用で摩耗してしまうパーツは何点かありますが、あえて擦り減らせる事で相手側の大物をもたせる様にしてあるのではないかと思えるものもありますね。