以前にも似たような物を記事としてUPしましたが、今回はZ系ではなくJ系のヘッドです。
前回ご紹介させて頂いたZ系ヘッド同様、ピストンとバルブの位置関係を始めとするデータ収集に使う物です。勿体ない・・・というお声も聞こえてきそうですが、修復が難しいと判断したダメージドヘッドをベースにしています。
ではどんなデータなのか?という事なんですが一例を挙げると、ピストンとバルブリセスとの位置関係(クリアランス)ならばクレイを使用し確認するのが通常ですが、例えばピストンとバルブが最も接近する排気上死点位置で、実はその状況下のINとEXバルブ同士の接近がどの程度かをクレイで確認する事は出来ません。
使用するカムシャフトの作用角/リフト、そして使用するバルブ傘径、シートの沈み具合等の要件からバルブ同士の接近度合は変化しますが、このカットヘッドならばそれも一目瞭然。更にはクレイを使用してその度にヘッドの脱着を繰り返さなくとも、バルブリセスに対しバルブの位置関係確認が可能です。(1番・4番で仕様を変えてます)
リセスの小さなノーマルピストンに社外カムを組み合わせた時、またはビックバルブ化とハイカム化された時に気になるバルブ同士の接近度合。これら様々な組み合わせを実際にこのカットヘッドで再現してみると、実に結構ヒヤッっとする組み合わせも決して少なくなかったりします。たまたまギリギリHITせずに回っていただけで、何か一つ条件が狂えばHITという組み合わせも実際に存在するんですね。
全てがノーマルという組み合わせならば、この様な確認も必要はないのですが、今までに経験の無い組み合わせや初仕様のエンジンを組むとき、または新たなパーツを造ろうとするとき等、このカットヘッドが役に立つわけです。
興味本位でカットモデルを作ったわけではありません。笑