継続しているハイパーGC(ジェネレーターコンバート)キット用のフライホイールアダプターの先行量産品です。
この部品は、クランクシャフトに組み付けする為のテーパー部分の表面硬度と剛性、そして加工による表面祖度が肝となります。
硬度や剛性が足らなければ、高回転による振動で接触面に荒れが生じて、いずれは滑りを生じ、フライホイールの緩みで空転が起こります。そうなるとローターはもちろん、クランクシャフトエンドも痛めてしまう可能性が高くなりますので、その部分については非常に神経を使う必要があります。
加工時の仕上がり面祖度も同じく、この部分は仕上がりが綺麗であればある程密着度も向上します。ガラスの面同士を密着させると、容易に動かしたり剥がせなくなるトのと同じく、又、センターのボルトを締め付けした際にローターがクランクエンドにスムーズに食い込みます。
ちなみにZのクランクエンドには、ウッドラフキーと呼ばれる半円状のキーが回り止めの様に入っていますが、実はこのキーの硬度はそれほどでは無く、万が一にローターが緩んでそのまま使うと粉々に摺りおろされてしまうレベルの強度と硬度ですから、やはりローターの固定はクランクテーパー部の密着に負うところが殆どだったりします。
それに対応出来る様に相応の材料の硬度は非常に高い為、軽く叩いただけでガラスの様にいい音がします。又、後半でテーパー内部の面仕上がりも見る事が出来ますのでご確認下さい。
ところで、このローターマウントベースの仮着けしてて思ったのですが、マグネットレスで組んで、写真の様にカム式のワンウェイクラッチのみで装着した場合は、TOTなんかで走ってるジェネレーターレスで超軽量スタータークラッチのみ装備のスプリントレーサーやサーキット専用車にも使えるぞと。
本来発電容量をアップする為に作ってる部品なのに、発電機能無しでの利用価値があるとは随分とおかしな話です。
軽量カム式ワンウェイクラッチと、純正のZ用スターターギアとの組み合わせの純サーキット仕様ですね。
これでステーターコイル着けなければセンター部分の高さも押さえる設計の為、ボルトの突き出しも最小限ですから、さぞかしサーキットでのバンク角に有利な形状のカバーを装着出来るでしょう。
ちなみにフライホイール周りが軽過ぎたらトルクに悪影響が出るかなとも思ったのですが、現在既に実走行している車両ではそういった感触を感じません。Zの様なエンジンは四輪のフライホイールの様に重くて径が大きいという事が無く、元々クランク側の重量の割合とそのマス成分の割合の方が、ローターより非常に大きいせいなのかもとも考えています。