以前にオーバーホールを含む加工や修理を受けていると思われるエンジンの分解や検証には特に気を使います。
既にお馴染みの、Z系の特にJシリーズのカムホルダー部分ネジ山の破損や、ヘリサートによる修理ですが、この際に使われるコイルの長さには注意する必要があり、2スケアと呼ばれる長さで何とか純正のネジ山と同じ程度、一般的にヘリサートキットに入っているコイルの長さは通常1.5スケア程度なので、これを挿入してカムホルダ部分を修理してしまうとヘッド母材との噛み合い幅が足らずに、場合によっては僅かに2~3回のカム脱着でコイルが引き抜けてしまったりします。
その為、分解したエンジンに使われているヘリサートコイルが短い物であった場合は、予防措置としてですがそれを除去して最も長い3スケアと呼ばれるコイルに交換し、ボルトも4~5mm程長い物としてネジ山あたりの負担を減らしてやる様にしています。
ところで、このヘッドも同じく1.5スケアの短い物が使われていたのでまずは抜き取ったのですが、何だか更に奥に居る様です。
なんともう一つ、抜き取ったコイルの下にも1.5スケアのものが入っていました。
2段重ねになっていたと言う事です。
一応コイルが短い事による問題は理解している方が作業された様ですが、長いコイルが入手出来なかったのかも知れません。
ただ、短いコイルは座りがあまり良くない為にずれやすく、カムの取り付け時にボルトのネジ山と絡んでトラブルになる可能性もありますから、ここは3スケアのものに交換しましょう。
危うくトラップに引っかかるところでしたね。