ツーリング途中で突然大きな異音と共に不調になってしまったとの事で、緊急入院となった900 A4。
異音が発生した時の事をお聞きした所、さらに状況を悪化させてしまう事を避けたいと考え、こちらで確認の為の再始動は行わない事としました。
プラグを1番から順に外してゆきますが、何故か4番だけがビクとも動きません。ネジ山を後に修復覚悟の上で少々力技にてどうにか抜けてくれました。が、プラグの先端を見て外れなかった理由も納得。在るべきはずの電極部分が消失しご覧の様な状態になっていました。先端部分が全体に変形している為、スムースに抜く事が出来なかったんですね。
カムチェーンの状態を確認するため、ポイントカバー側からゆっくりとハンドクランキングをすると、異常な程の遊びを確認。テンショナーは純正流用のゼファー750系の物です。
まずはヘッドカバーを外します。
1・4排気上死点位置です。カムシャフトはノーマルですが、目視で見てもインテーク側カムノーズ位置が若干狂っているのがわかります。
キャブレターを外して再び驚きます。IN側ポートを覗いたところですが、ビッシリと何かが堆積しています。この時点である程度トラブルの内容は見えてきました。
そしてEX側です。アルミの粉で一杯のポートに目が行きがちですが、その奥を見ると本来そこに在るべき物が見当たりません。
こちらはマフラー側、ヘッドEXポートから出た所です。かなり奥までアルミの粉が入っています。
エンジンに詳しい方なら、何が起きているのか想像する事が出来ると思いますが、長く空冷Zに携わってきても、滅多に見る事のない内容でした。
次回はヘッドを下した所から、更にトラブル内容の確定と、何故にトラブルが発生したかの理由を検証し見極めたいと思います。