異音(その2)に続きます。
前回はヘッドを下した所で燃焼室の状態までをUPしました。今回はピストン側の状態も含めて検証したいと思います。
ヘッドを下して姿を現した4番ピストン。長年空冷Zのエンジンに触れてきている我々でも中々見る事の無い光景でした。少しクローズUPします。
IN/EXバルブ傘がステムから折れてピストンの上に鎮座しています。
燃焼室とピストンの間で激しく叩かれ続けたのか、原型は何となく留めているものの大きく変形しています。
バルブ傘を取り除くと、ピストンには大きな穴が開いた上にコンロッド小端部の頭も激しく叩かれ変形。辛うじてピンボスとピンは生き残りコンロッドと繋がってはいるものの、ピストンヘッドには穴が開いているだけではなくもはや原型を留めていません。この後にシリンダーを抜きコンロッドを前後左右に振ってみると、やはりこの気筒だけサイドスラストが大きくなっており、コンロッド&クランクシャフトまでダメージが及んでいる可能性が高いと思います。
全体の状態を推察するとテンショナーの作動不良等により、バルタイが狂いバルブ同士・ピストンがHIT。その時点でそれなりの異音は発生していたと思うのですが、それに気付かず走行を続けた為に折れたバルブ傘が暴れ、この様な状態になったとみています。
シリンダーヘッド、そして状態によってクランクシャフトも再生不可となるかもしれません。
追って腰下を開ける準備に入りたいと思います。