異音(その3)に続きます。
予想を超える腰上のダメージがあったエンジンでしたが、腰下の分解そして検証です。
ドレンボルトのマグネット。異物がビッシリと付着しています。この状態から想像するオイルパン内部も・・
オイルパン底部は、アルミや鉄粉が混ざった物で全体的に覆われています。
UPで見てみるとこの様な状態です。この金属粉は元々ピストンの一部、燃焼室の一部、そしてコンロッドの一部やシリンダースリーブの一部、それぞれが叩かれ削られたものです。
抜いたオイルを廃棄した後、底にはこれだけの金属粉がまだ残っていました。
オイルポンプの吸い口にあるストレーナー。大粒の異物はここがフィルターとなりますが、目の細かい金属粉は普通に通り抜けてゆきます。内部のギアが心配ですね。
オイルフィリターパンの底部にもビッチリと金属粉。オイルフィルター様様です。ただし、フィルターの目があまりにも詰まってしまうと、今度はエマージェンシーとしてフィルター室を満たしたオイルがフィルターを通さず直接オイルラインへ流れ込みますから危険です。
シリンダースリーブ内壁もこの様な状態に。
オイルパンを外し裏側から覗いたところ。やはりこの気筒だけに金属粉とその破片が散らばって確認できます。
そして問題のあった気筒のコンロッド小端部です。折れたバルブ傘がピストンヘッドに大きな穴を開け、しまいにはコンロッド小端部まで叩き潰してしまいました。このコンロッドもそうですが、クランクも交換が望ましい状態です。
トランスミッションは大丈夫そうです。
ヘッドやクランクに良品ドナーが必要となる今回のOHですが、しっかりとベースを見極めて二度とこの様なトラブルの出ないエンジンとして組み上げたいと思います。
まずはスペアヘッドとクランクを探します。