分解したZのクランクシャフト。
ジェネレーターカバー側の一番左側の部分です。
この状態だとただの文鎮にしか見えませんね。
見ての通り元々の素材の製法は鋳物ですが、Zの場合クランクシャフトの本体上をニードルベアリングが直接転がる事もあって、表面硬度はベアリングのレースと同程度必要ですからそれなりの処理が施されています。
例えばこのウェイト部分ですが、一見普通の鉄に見えてもかなり硬いです。
ハンドポンチでマーキングしようとしてもろくに食い込まずに、安物ポンチでやると反対に先端が潰れてしまう程です。
ちなみにここはコンロッドの大端部サイド部分が擦れる場所なのですが、さほど摩耗もしていません。
さて、どれくらいの深さ迄硬いかと、マグネットローターの取りつく軸部分を旋盤で引いてみます。
ちなみにこの根元の部分は、ワンウェイクラッチギア用のニードルベアリングがエンジン運転中ずっと転がります。
最初の表層がえらく硬く、なかなか削れませんのでそれに合わせた送り速度で切りますが、ある程度進んだところで一気に削れが進んで硬度に送り速度が合わなくなりました。
表層から2mm程度のところから一気に硬度が変わっているのが見えますね。
Zのクランクシャフトは非常に硬いのですが、この様に芯まで硬いわけではないのです。