先日もUPしたコンプリートMK2に使用するベース車両。
http://www.pams-japan.com/diary/?p=5209
今日はその分解の様子を簡単なダイジェストで。
アンコ抜きシートとリペイントされた外装以外は全てフルオリジナル。本当にベースにするには勿体無いという声があってもおかしくはないコンディションですが、同時期に出てきた同じMK2コンプリートのベース向け車両の中で、今回は価格差以上に程度の差が開いていた事もあり、オーナーさんの了解を得た上で現車に決定。
先ずは外装を剥ぎ分解に着手。
分解を進めてゆくにつれ、エンジンを開けられるのも今回が初めてと分かります。どこにもやっつけ仕上げの痕がありません。
カムラインの簡易チェック。IN も EXも全く問題ありません。
どんどん分解を進めてゆきます。分解の手間はそれ程でもないのですが、実は分解という作業は各部チェックを行う最初のポイントだったりもします。過去の事例から空冷Zの傷み方とその特徴は良く解っていますから、それを念頭に置きながらの分解作業です。
目視でのチェックではフレームディメンションも健全そうですが、念のためレーザーにてフレーム測定を行います。
ミッチリとくっ付いたベースガスケット。間違いなく数十年前に組まれた後、今回初めて顔を出したと思われるコンロッド。ピストンも当然純正STDサイズでした。
シリンダーヘッドのコンディションも良好。
洗浄台で汚れを洗い落としながら、各部を隈なくチェック。
燃焼室側です。軽く洗ってやるだけでカーボンも落ちてくれました。燃焼室の状態も良好です。純正のヘッドガスケットに有りがちなヘッド面の荒れは、最小値面研磨で除去します。余程深い腐食痕や傷でもない限りは、概ね0.05から0.08程度の研磨量で収まります。また、キレイに見えるヘッドでも、測定すると面に歪が全く無い物の方が少ないと思います。ヘッドナットに締め付けられ、長年熱膨張と収縮を繰り返している各部は、それなりの狂いが出て当然かもしれません。
更に洗浄と各部のチェックを進めます。