エンジンからシャラシャラと言った異音が気になるとの事でお預かりしたZ2 RS。エンジンを始動しゆっくりと空吹かしをした所でそれと思われる異音を確認。感覚的にはカムチェーン軌道上のどこかで音が出てるものと判断。
コンプレッションそしてリークダウンチェックを行った後、早速ヘッド下しに掛かります。
ヘッドを下したところです。STDサイズピストンです。
この年式ならば本来は左右2分割タイプのヘッドガスケットにセンターシールを組み合わせるのですが、何故か初期型用の一枚ものが使用されていました。
シャラシャラ音の原因だったと思われるアイドラーギア。ただこのアイドラーが悪いのではなく、それを支えるシャフトの上に載るはずの樹脂ダンパーが入っていませんでした。本来ダンパーで固定されているシャフトがエンジン回転の上昇~下降と共に暴れ上手くカムチェーンをガイドできなくなっていた様です。またこのシャフトの下にはテンショナーローラーが位置していますから、カムチェーンのテンションも上手く取れていなかったかもしれません。
念の為アイドラーギアも純正新品に。樹脂ダンパーをSETした所です。
ピストンヘッドにこびり付いたカーボン。この程度のカーボンならば悪さはしないと思いますが、せっかくなのでサヨウナラします。
ピストン単体でない限り、以前はカリカリとカッターやスクレーパー等でカーボン剥がしを行っていましたが、最近良く使うのがカーボン除去剤です。この様にピストンの上に万遍なく塗ります。少し時間を置いて拭きあげる、または軽くブラシで擦ってやると、それほど力を加えなくともカーボンが落ちてゆきます。これなら傷を付ける心配もありません。
あっと言う間にキレイになりました。
カーボンの落ちにくいバルブリセスポケットの谷もサクッときれいになりました。
ついでに燃焼室側も同じくカーボン除去。因みにこのケミカルなんですが、元々はある自動車メーカーからのリクエストで開発したもので、エンジンを分解せずプラグ穴から注射器の様な物で注入し、時間を置いた後に今度はプラグ穴より吸い上げるという物。とは言ってもその全てが回収できるわけではないので大丈夫なのか?と思うのですが、成分はオイル系だとの事でそのままエンジンを回してしまっても問題ないのだそうです。ただし、その様な使い方をした場合は念の為オイル交換は行って欲しいとの事でした。
石の様に固まってしまったカーボンデポジットが全て除去しきれるかは正直微妙だと思っていますが、上記した様な当たり前のカーボンだけという条件ならば、以上の様な使い方でも十分な効果が望めると思います。
オリジナル/バイトンセンターシールとFS メタルヘッドガスケットを使用。
ヘッドを載せカムシャフトをSETした所です。テンショナーもPAMSフルオートタイプに変更。
あとはリクエスト頂いているウオタニSP2とGC KITそしてCVKキャブレターに換装というメニューです。