キャブレターセッティングのご依頼でお預かりしているZ1。
シャシダイに載せる前の各部チェックを行いますが、リークダウンと気筒間の圧縮圧力にバラ付があるため、カムカバーを開けてタペットクリアランスの測定と調整を行う事に。
カムカバーを開けてご対面したのはノーマルカム。しかし目視でもわかる位カム山も消耗しています。またそれを受け止めるシムも妙な当たり方です。
ノーマルカムは、一見綺麗に見えてもジャーナル径やカム山のハイト等を測定すると、意外に使用限界ギリギリであったり、またはそれを越えている物も少なくありません。経験上、目視でこれだけ傷んでいると既に基準値は越えており、良くて使用限界ギリギリだったりします。所々に腐食痕も確認できます。
ジャーナルの当たりも厳しそうで、結局良品USEDに換える事となりました。
画像上は、カムホルダーの#1 と #3です。
拡大すると・・・
この様な状態です。この#1と#3ホルダーですが、カムシャフトの横方向の動きを決めている所でもあります。ですから画像の様な状態になってしまうと、状態によってはカムシャフトが右へ左へと遊んでしまう可能性も出てまいります。勿論、走行距離を重ねる事で起こる当たり前の消耗でこの様になる事はありません。
今回は全面が潰れず、一部ガイド面が残ってくれているので何とかなりそうです。
ここ数年、エンジンOH等でお預かりする車両のノーマルカムの消耗が酷く、ノーマルカムの代わりに使用出来るノーマルを越えたノーマル代替えカムを作りたいと思っています。