現行車を含む昨今のバイクであれば、大方の車両がキースイッチオンでメーターはこんな感じでデモンストレーションしますが、ここを読んでいる人は知っての通り、Z1000JやZ1000Rは少なくとも35年以上も昔の車両です。
ご存じの通り、そんな大昔のバイクはノーマルではこんな動作はしません。 この車両はご存じの通り、弊社で電子式インジェクション化の為にECUを搭載しており、Z1000J1~J2、Z1000R1は関しては、タコメーターはもちろんスピードメーターも電気式なので、それをECUでコントロールしているから出来るお遊びです。
もちろん、そんな遊びをするのが主目的ではなく、タコメーターで表示されるエンジン回転数や、スロットル開度に空燃費、マニホールド圧他、数十の項目でデータを採っているロギングに走行速度と、そこから計算出来る使用ギアパラメータを加えてセッティング時の参考にする為です。
スロットル開度と回転数が同じでも、速度や使用ギアが異なればエンジンにかかる負荷は同じでは無く、必要な燃料も理想的な点火時期も変わりますので。
又、車速を取り入れする事で、ECU側では極低速走行中と停車アイドリング時の燃調と点火時期を切り分けさせる様に設定しています。
これは、停車して無負荷でアイドリングしている状態と、極低速でも走行している負荷状態では、燃焼状態が異なるからです。
こういった、走行状況のパラメーターを加えた制御を行えるのが、キャブレターに対する電子式インジェクションのアドバンテージです。
ちなみに、このZ1000J2は純正ではスピードメーターセンサーが付いているのですが、昔のセンサーでパルス精度に欠けるのと、ホイールやアクスルシャフト廻りはZ1000Mk2系のものを使用してますので、KZ1000用の機械式メーターギアにけーぶるではなくホール素子を使った回転センサーを取り付けてホイール一回転6回のデジタルパルスを取り出しています。
こちらは最近の車両用で、アクスルシャフト系がZ1000MK2と同じ17mmのホイールセンサーです。
最初はこれを流用しようかとも考えたのですが、センサー廻りのオイルシール構造上そのままでは防塵防水が出来ないのと、ホイール一回転あたりパルスが4回の為、極低速でも走行している状態から停車を検知するのであればパルスは多い方が有利かともと考えて今回は使いませんでした。
但し、ECUの仕様上停止判断に問題無ければ、ギアフリクションによる駆動ロスもありませんので試してみようかと思います。