ビッグバルブにハイカムと、データに無い組み合わせのチューニングエンジンを組む場合、更にヘッド側の面研等が重なるのであればバルブとピストンのクリアランス測定が必要になります。
仮組みと測定を繰り返す分、ノーマルのエンジンを組むのに比べると遥かに手間はかかりますが、これこそがチューニング(調律)と言えるでしょう。
これはよく見る風景ですが、実際に使用する組み合わせを仮組みして、潰れる粘土の厚さで、クリアランスを見ます。
原始的な方法ではありますが、バルブタイミングによってはバルブとピストンが最も近づくのが上死点とは限らず、その前後になる場合もありますので、実際に使うバルブタイミングにカムを合わせてからこうして粘土を潰します。
今回の組み合わせで、このピストンについては、さほどの面研もしておりませんのでまだまだ余裕です。
カムチェーンの伸びやバックラッシュを考慮しても、更に面研したりリフト量の高いカムシャフトに対しての余裕はありそうです。
一応データとして、上死点時にバルブがどれくらいリフトするとこのピストンでは接触するかも測定しておきます。
測定用に非常に柔らかいスプリングをバルブに組み込んでおいて、指先でタペットを押し込んで、ピストンヘッドに接触するまでのストロークをダイヤルゲージで測っています。