こちらも長年温めながらやっと形になりつつあるパーツです。
ジェネレーターカバーですが、少々本気で走ると不足する空冷Zの左バンク角。これを補う為にノーマルカバーをカットしアルミ板をあてがい溶接という手法が定番でした。しかしステーターコイルやマグネットローターがノーマルだとした場合は、そのカット幅(角度と深さ)が思うより取れず苦労した割にはバンク角を稼げないという事がありました。
またZ1系(コイルがローターの外周にある)等ではサーキット走行に割り切ってコイルその物をカットしカット幅を大きくする事も可能ですが、元々頼りない発電容量が更に激減するデメリットも受け入れなければなりませんでした。また溶接整形後に巣穴等からオイルが滲み漏れるというトラブルも少なからずある様です。
比較対象をここに用意してないのでイメージが湧かないと思いますが、空冷Z用のカバーとしてはかなりバンク角が稼げています。勿論、ノーマルのステーターコイル&マグネットローターでは無理なお話で、先だってリリースとなった「GC kit type2」が使用前提となっています。
→ http://www.pams-japan.com/diary/?p=6271
実際にはバンク中はカットされたフラット面が水平に路面とタッチするわけではないのですが、それに合わせてデザインをするとストリートマシンとしては少々エキセントリックなデザインになるんですね。でも悩んだ既に見た目も重視でこの様に。
画像の中で上が後加工(試削り)で下が鋳造から上がってきたままの物です。鋳物で寸法精度を必要とする後加工は、とにかく基準点をしっかりと確保する事と専用治具の製作に大変手間が掛かります。画像にある物も後加工に改善の余地があり、まだ市販に至る状態ではありませんが、ここからはかなり急ピッチで試作&テストを繰り返す事になります。因みにこのカバーを使用する場合は上記の「GC kit type2」使用が前提となりますが、kit内のコイルインナーアダプターが必要なくなる為kit価格からその分が差し引かれる事となります。勿論既にGC kit type2を装着されている場合はカバー単品だけで使用可能です。
話がややこしくなって来たのでまとめます。(Sバンクカバー付 GC kit type2)
①発電容量を大幅に上げながら
②バンク角もしっかりと確保し
③ローターの軽量化を図りつつ
④カム式ワンウェイクラッチによる確実な始動を⑤無加工ボルトオンにて可能とするKitです。
以前よりガッツリ走る方達からのリクエストが多かったパーツではありますが、やっと形になり始めました。追って進捗をレポートしたいと思います。