画像はつい先日組み合ったZ1エンジンの腰下ですが、ご覧の様にギア歯自体のコンディションは抜群です。距離は伸びていた為、ベアリング等の消耗は見られたものの、主役のミッションは全体にとても良い状態を保っていました。
クランクシャフトも同様です。
OHのお話をする場合、「どうせエンジンは開けるのだから、別にコンディションが悪くても構わないだろう?」と言った趣旨のご質問等を頂く事がございます。
答えはYESでもありNOでもあります。と言うか個人的にはNOだと思います。
消耗すべき箇所が消耗している範囲なら、当たり前のOH作業で初期性能を取り戻す事は可能ですが、それを通り越して「壊れている」状態となると、同じコンディションまで回復させるのに手間暇は余計に掛かりますし、場合によってはそれが不可能な場合も少なくありません。
OHを施したからと言って全てがイコールコンディションになるわけではないんですね。特に生産から30~40年以上が経過した空冷Zのエンジン等はそう考えて差支えないと思います。