以前にも何回か記事にしましたが、日常によく見る充電系の配線トラブルです。
ステーターコイルからの交流出力取り出しですが、純正のMk2系やZ1000J系ではカバー取り出し部の直後、セルモーター下あたりで丸型のオスメス端子で接続されていますが、流れる電流が接点部分の抵抗値で熱が発生するのと同時に、エンジン至近の為に更に温度が上昇して端子や銅線の焼けとなります。
それにより更に抵抗値は上昇してはどんどん温度は上がりますので、端子部分を新品にして補修しても、数千kmで絶縁ブーツには焼けの兆候が発生し、2万kmも使うと写真の様に完全に焦げてしまうものが殆どです。
ここまで焼けてしまうと電流は通じません。走行してもバッテリー上がりの可能性が出てきます。
効果的な修理方法としては、銅線の焼けが来ていない部分で接触幅を多めに取った上でカシメを行います。
銅線同士の接触面積を多く取ればそれだけ抵抗値は下がりますので。
更に完全にするのであれば半田を流し込んで一体化させてしまうのがベターです。
但し、熱の発生で芯線の表面が酸化したりオイルが滲み込んでいると半田は上手く乗りませんので、綺麗に流せないのであればむしろ必要以上に熱をかけない様、カシメのみに留めた方が良いでしょう。
ちなみに、この半田付けを行った際には、芯線を洗浄脱脂した上でフラックスを使用しています。
綺麗に流れずに塊になってしまうとむしろ剥離や振動による折損の可能性も高まりますので。
フラックスを洗浄した後に、熱で接着剤が溶けだすタイプの収縮チューブで接続部分をカバーしてやります。
コードを空気から遮断してやるのと同時に銅線の外部被膜を一体化して、半田付け部分に振動が集中するのを防止します。
延長したジェネレーターよりの出力コードは、耐熱性を上げるのに熱絶縁性の高いガラスチューブに通してレギュレータ―迄ダイレクトに引いてやります。
端子同士の接点や銅線のカシメは、少なければそれだけ電力のロスは少なくなり、配線の痛みも遅く、充電効率も上がりますので。