充電系やバッテリーの良否の判断基準として
始動時のセルモーター(スターターモーター)の元気の良さを判断基準にする場合は多いですし、大方の場合は確かに目安にはなるのですが、セルモーターの消耗も考えられますから必ずしもというわけでは無かったりします。
判断方法としては、ブースターケーブル等で外部の大き目のバッテリーや乗用車に接続してという方法があります。
それでもクランキングに元気が無ければ原因はセルモーター側と言う事になります。
判断方法としては、ブースターケーブル等で外部の大き目のバッテリーや乗用車に接続してという方法があります。
それでもクランキングに元気が無ければ原因はセルモーター側と言う事になります。
さて、バッテリーが満充電にも関わらず、どうも始動性に難のあるZ1000J(J2)
クランキングしての初爆で、何故かキャブに吹き戻す様な感触もあります。
スターター使用時のセルモーターにも元気が無いので、クランクピックアップトリガを使用したデジタル回転計で測定すると何と200rpm台からそれ以下です。
これ位迄クランキング回転が低くなりすぎると、プロセッサー制御方式を持つイグナイターは想定している始動時点火時期に火が飛ばなくなり、更に始動性が悪化する場合があります。
スターター使用時のセルモーターにも元気が無いので、クランクピックアップトリガを使用したデジタル回転計で測定すると何と200rpm台からそれ以下です。
これ位迄クランキング回転が低くなりすぎると、プロセッサー制御方式を持つイグナイターは想定している始動時点火時期に火が飛ばなくなり、更に始動性が悪化する場合があります。
何故かと言えば、スターターによるクランク回転は一周する間に一定速度では無く、ピストン上死点前で圧縮された混合気による反発力で遅くなります。
セルモーターに勢いが無さ過ぎるとその度合いが極端に大きくなりますので、相対的に点火時期が極端に上死点から前(通常クランク角で10度程度です)になり、ピストンが上がり切るのを燃焼圧力が押し戻す様な症状が起きます。
最新型インジェクション車の様に、ピックアップローターに数十の山が刻まれているものをセンシングすると、始動クランキング中の回転速度むらによるクランク角度も精密に測定出来ますが、ウオタニ等のイグナイター制御用のみに作られているピックアップローターはもっとシンプルな形状の為、セルモーターの能力低下でクランキングスピードが低下すると極端に始動性が悪化するのはこのせいだったりします。
整備の為に取り外したセルモーターを分解すると、スプーンですくえそうなほどにブラシの磨耗粉が出て来ました。
ブラシはカーボン製で導体でもありますから、ここまで大量に内部に存在すると本来セルモーターコアを回転させる為に必要な電力がブラシ粉を伝わってリークしてしまう事は十分想像できます。
更に必要以上の電力がセルモーターに流れますから、結果としてクランキング中のバッテリー電圧の低下の原因となり、コイルでスパークする為の1次電圧も下がりますから、更に始動性は悪化します。
清掃は勿論ですが、ブラシの交換や当たり面の研磨を施してメンテナンスする事が必要です。但し、長年の使用で駆動用の先端ギアに大きな摩耗が見られる場合は、ここで大きな嫌なノイズも発生しますのと駆動力も大きくロスが出ますので、セルモーターの新品交換も考えます。
こちらのモーターも、ギアの磨耗が見られましたので交換しましたが、新品の純正モーターに交換後のクランキング回転数は450rpm以上になりました。。
始動時点火時期も適正になった為か、ピストンが押し戻される様な嫌なタイミングでの初爆も起きず、実にスムーズな始動です。