当社がZ系整備時に使っているカムホルダーのボルトは純正を含めて何種類かあります。
一番上がMk2系以降やJ系の純正になっている首下43mm(6×43)
真ん中のがZ1系の45mm
一番下は別車種流用の46mm
これらは無加工の純正ヘッドに使用します。
ただ、ヘッド素材の脆さが話題になる場合も多いJ系はもちろん、Z1系にしても脱着を繰り返せばネジ山痛みも気になりますので、面積あたりの負担を分散して減らしたい事もあり、若干長めのボルトを使用してやりたい場合があります。
純正以外に車内で使用しているものを加えて並べたところ
左から43,45,46,48,50,52mm / 強度区分は9~10のもの
左から43,45,46,48,50,52mm / 強度区分は9~10のもの
この中でも48mmのものは、ヘッドのネジ山の状態が良好であれば
仕上げ用のタップで掘り足すのみで使用可能です。
仕上げ用のタップで掘り足すのみで使用可能です。
この部分のネジ山の下穴は生産時の加工の都合でネジ山の切られていない部分が深めになっている為です。
使用前には軽く指先でねじ込んで、必ずボルト座面がカムホルダー高さより低い部分迄下がる事を確認します。
48mmと純正45mmの使用時に使えるネジ山幅の比較
僅か3mmの差ですが、ネジ山の接触面積が増える分、ひと山あたりの負担が減ります。
僅か3mmの差ですが、ネジ山の接触面積が増える分、ひと山あたりの負担が減ります。
ちなみにこれは50mm
ぎりぎりカムホルダー高さを下回っていますが、流石にこれは個体差を考えれば締め切れない可能性もありますので、50mm以上のものは下穴を正確に掘り直して3スケアのロングヘリサート加工を施した場合に使用する様にします。
更に52mmのものを使おうとするとこの通り、下穴の加工やヘリサート用のネジ穴切り時には注意せねば底が抜けますので確認しながらの作業が必要です。(右側は純正45mm)
滅多な事では使わないのですが、Z系をある程度の数整備していると、たまに妙に短いヘリサートコイルが以前に使用されていて周囲のアルミ母材ごと引き抜けてしまったものに出くわす事があります。
それでも母材の生きている深い部分で何とか再ヘリサート加工で修理せねばならない場合にのみ使います。
もちろん、次回にヘッドを取り外して整備する場合には、鉄スリーブの埋め込み等での本修理を行うという条件での暫定的な措置になりますが。