Z1~Z1000Mk2迄の第一世代Z系はタコメーターが機械式ですので、エキゾーストカムシャフトから回転を取り出す為のギアがシリンダーヘッドに組み込まれています。
(J系でも車種によっては機械式タコメーターを使っているものがあります)
ただ、このタコメーターギアシャフトですが、整備入庫した車両のものを点検すると、結構な頻度で曲がっています。
ですので、シリンダーヘッドを分解したり、ギアシャフト部分のオイルシールを交換するのにシャフトを取り外した場合には、必ず点検しています。
ボール盤で軽く廻すと、曲がっているのがすぐにわかりますね。
原因ですが、殆どがエンジン整備の際にカムシャフトを取り付けする時です。
ギアシャフトは、カムシャフトを取り付けする際にはシャフトのホルダーごと取り外しておくのが基本ですが、これを着けたままエキゾーストカムを組み込みすると、ごく稀にギア歯の先端同士が接触してしまい、カムを締め付ける事でシャフトを押し曲げてしまうわけです。
シャフト側が曲がってしまうと、余計なフリクションや異音の発生はもちろん、最悪頭が折れてカムやカムチェーン等に絡んでしまったりするとエンジンブロー等の大きな破損に繋がりかねません。
エンジン整備時には必ずセオリーを守るのと、履歴のわからない場合は、必ずギアシャフトの曲がり点検も行って下さい。