エンジン分解時に必要なのがカムシャフトジャーナルの軸部クリアランスの点検。
バルブやバルブスプリングを取り外して、規定トルクでカムホルダが締めますが、この際カムホルダ部分の雌ネジの傷み具合も同時にチェックします。
ここで正常なヘッドであれば特に問題無くカムは軽く回りますが、全く回らなくなったりした場合はヘッドの歪みやカムホルダーの変形等を疑います。
例えばヘッドに歪み癖がついてしまっている場合、シリンダーブロック上に載せて締め付けていればある程度平面になってそれでカムが廻っていた可能性があります。
ですので、取り外してフリーになっている状態のそういったヘッドを面研してしまうと、今度はエンジン搭載時にカムが回らなくなる事が想定されます。
ですので、面研を行う前には必ずカムシャフトが軽く回る事を確認しなければなりません。
カムが廻る事を確認したら、更にプラスチゲージを使用して実クリアランスを点検します。
規程値は0.020~0.070mm。 カムジャーナルやメタルの摩耗によるクリアランス限界は0.16mmとなっています。
このヘッドは0.040~0.050mmですので、規定内に収まっていますね。
最近は経年劣化によるものなのか、鋳物であるカムホルダーも微妙に変形してしまう為か、以前は大丈夫だったのに今回分解したらカムが廻らなくなっていたなんてヘッドを時々見かける様になりました。
この為、クリアランスの確認が欠かせません。