整備の為にマフラーを取り外そうと、エキゾーストパイプを留めているいくつかのナットを緩めようとしたら、何か所かはナットでは無く本来シリンダーヘッド側に残る筈のスタッドボルトごと抜けてしまいました。
それでも何本か残っているスタッドボルトを見ると、上と下とでボルト先端形状もネジ山の長さが違うのが見えますでしょうか?
エキゾーストスタッドの何本か、前後が逆に組まれています。上のボルトの方が間違い、下が正しい方です。
本来このタイプのスタッドボルト(種別上は植込みボルトと呼びます)は方向があり、ベースになる母材(この場合はシリンダーヘッドです)に埋まる方のネジ山は母材の雌ネジに対してガタが出来ない様に少々渋くなる様になっています。
Z系に使うものでは、先端が真っ直ぐにカットされているのが本来埋まる方です。
反対側はナットを取り付ける為、普通のネジ山ですので、前後を逆に埋めてしまうと取り外し時にはナット側が渋く、ヘッド側は緩めなわけですからこの様に抜けてしまいます。
こちらの丸い方が本来ナットを付ける方です。
さて、今回のものは8mmタイプでしたがZ系初期の6mmのものも同様で前後があります。
少なくともZ系のエキゾーストスタッドは、先端が丸い方が外になる様に組み着けるのが正しいです。
間違えた状態で走行すると緩み易く、母材側のネジ山にガタがある状態になっている事がありますから雌ネジが引き抜けてしまう場合もありますので、組み込み時には注意が必要です。
これは新品のエキゾーストスタッドを挿入しているところです。
いずれナット側のネジ山が錆びたり伸びたりして痛んだ場合に交換仕様とする際、固着して抜けなかったり折れたりするのを防止する為、埋め込み側のネジ山にはカッパーグリスを塗布して対策しています。
ちなみに使っている工具はメーカーもラインで使用するスタッドボルト専用のインストーラーです。